あなたの不調はグルテンと関係している!?グルテンとアレルギーの関係

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この記事ではグルテンが体にどのような影響を及ぼすかについて論文をもとに説明いたします。この記事を読めば最近なぜグルテンフリーの食品がはやっているのかということとアレルギーがグルテンとどのように関係があるのかがわかります。

目次

グルテンの特徴

そもそもグルテンとは何でしょうか?

グルテンとは小麦や大麦、ライ麦などの穀物に含まれるタンパク質の総称です。

パンやパスタ、うどんなどグルテンがなければあの食感、弾力、ふくらみなどは得られません。それだけ現代の食事の満足感を上げてくれている立役者でもあります。

shu

粉物の料理を作る時にグルテンがよく出るようによくこねるというのは料理人は意識するところです。グルテンは粉物の食感を左右する重要な要素になります。

グルテンアレルギーと過敏症

ですが、そんなグルテンも一部の人にとっては健康上にマイナスな部分があります。それは下記のような人になります。

  • グルテンアレルギーの人
  • セリアック病の人
  • グルテン感受性のある人

上記の人々は免疫反応やアレルギー反応と反応の仕方は違いますが、どれもグルテンに対して体がマイナスの反応をしてしまう人になります。

では実際にどのくらいの日本人がグルテンによる悪影響を受けるのでしょうか?

島根大学が日本大腸肛門病会誌に出している記述を見ますと日本におけるセリアック病の有病率は0.05%程度グルテン感受性のある人は0.6~13%程度となっています。

セリアック病は欧米に特有の疾患と考えられてき
たが,最近ではアジア諸国においても疫学調査が進
み,稀な疾患ではなく一般臨床で対応が必要な疾患
と考えられるようになっている.われわれの調査で
は,日本人での有病率は 0.05%程度と低いことが示
された

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/74/10/74_572/_pdf

NCGS の診断は除外診断でありセリアック病
や小麦アレルギーなどを除外する必要がある7,43,44).
有病率は 0.6~13%程度といわれ

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/74/10/74_572/_pdf
shu

セリアック病に関しては日本にはあまりいないということがわかりますが、グルテン感受性のある人は多くて7.6人に一人いるということですね。自分には絶対当てはまらないとは言えなそうですね。

グルテンが腸に与える影響

グルテンが体に悪影響を及ぼす主な直接的部位は腸です。このセクションではグルテンが腸にどのような悪影響を及ぼす可能性があるかを見てみましょう。(ここではセリアック病は除く)

1.腸内で炎症反応が引き起こされる

この炎症反応は、腸の粘膜を刺激し、腸内環境のバランスを乱すことがあります。

2.腸内細菌叢に影響を与える

グルテンの摂取が腸内細菌叢のバランスを変化させることが知られています。

3.免疫系が過剰に活性化される

グルテンに対する過敏症やアレルギー反応が起きると、免疫系が過剰に活性化され、炎症性サイトカインなどが産生されることがあります。

4.リーキーガット(腸漏れ)の可能性が高まる

グルテンが腸内で炎症を引き起こす場合、これが長期間続くとリーキーガットの原因となる可能性があります。また、腸内での炎症反応や免疫応答がバリア機能を低下させ、リーキーガットを引き起こす要因となることが考えられます。

リーキーガットって何?

リーキーガットは、腸粘膜のバリア機能が低下し、腸内の有害物質や微生物が血流に漏れ出る状態です。このバリア機能の低下は、さまざまな要因によって引き起こされます。

shu

下記の記事にもあるように腸の状態はメンタルにも肌にも結び付いています。メンタルに不調がある方、肌の調子が悪い方ももしかしたらグルテンが関係している可能性がありますね。

アトピーや喘息とグルテンの関係

ではここで他のアレルギー(アトピーや喘息など)はグルテンと関係あるの?という点を考えてみましょう。

そもそもアレルギーとはどういった状態なのでしょうか?

アレルギーは、免疫システムの過剰反応によって引き起こされる疾患です。特定のアレルゲン(過剰に反応する物質)が体内に侵入すると、免疫システムはこれを異物と認識し、異物に対する防御反応を開始します。

アトピー性皮膚炎とグルテン

アトピー性皮膚炎とグルテンもいくつかの研究で関連性が示されてきました。

169人を対象とした横断研究では、アトピー性皮膚炎の参加者の51%が食事からグルテンを除去することで改善を経験したことが実証された

Vats V, Makineni P, Hemaida S, Haider A, Subramani S, Kaur N, Butt AN, Scott-Emuakpor R, Zahir M, Mathew M, Iqbal J. Gluten Intolerance and Its Association With Skin Disorders: A Narrative Review. Cureus. 2023 Sep 1;15(9):e44549. doi: 10.7759/cureus.44549. PMID: 37790051; PMCID: PMC10544948.

上記の論文では実際にグルテンフリーを行ったアトピー患者の半数が改善したということや他の皮膚の疾患(円形脱毛症や乾癬、蕁麻疹など)にもグルテンが関係している可能性が示されています。

喘息とグルテン

喘息とグルテンに関してはいまだ研究中の分野で確定した事実は少ないのが現状です。ですがグルテン関連の疾患であるセリアック病患者には喘息のリスクが1.6倍上がることが示された論文はあります。

その他には喘息と腸内細菌叢の関連が示された論文もありますので腸内細菌叢に影響を与える可能性のあるグルテンが喘息にも関連している可能性は否定できないかと思います。下記の論文では抗生物質投与による腸内細菌の変化が喘息発生に関与していることが述べられています。

抗生物質の
使用による腸内細菌叢の変化に伴う腸内真菌の
増加が喘息発症に関与することをマウスのモデ
ルで明らかにした.

竹田潔; 前田悠一. 5) 腸管免疫からみたアレルギー疾患. 日本内科学会雑誌, 2017, 106.9: 1838-1841.
shu

腸と喘息。一見何の関係もないように見えるけど確かに関係はあるようです。喘息やアトピーで何をやってもよくならないと思っている人は一度グルテンフリー生活を試してみる価値はありそうですね。

まとめ

グルテンとアレルギーの関係は完全には解明されていませんが、アレルギーに悩んでいる方には一つの選択肢になるかと思います。6週間程度で結果がわかるそうなので一度グルテンフリーを試してみてはいかがでしょうか?それでアレルギーを感じなくなればラッキーだと思って試してみてください。

shu

僕もアトピーがあるので試してみます。意外と醤油やビール、穀物酢などにも入っているから注意してくださいね。

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この記事を書いた人

イタリア料理の料理人として10年間修業。イタリア、大阪、東京、福岡などを回り料理の勉強をしました。自身が幼いころからアトピーを持っていたため、食と健康の密接な結びつきを肌で感じてきました。今回食と健康をテーマにブログを書かせていただきます。

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