
やる気が起きない。怒りっぽい。元気がない。すべてが嫌。何も楽しくない。そんなことを感じている人はいませんか?人生にはいろいろなことがあり、立ち向かっていくパワーがいります。そんな人生のベースには食が超重要です。
この記事ではなぜ食べ物が超重要かを科学的にお伝えいたします。

この記事をみれば食がなぜ超重要で本物の食べ物とは何かということがわかります。
食をおろそかにするとメンタルが崩れていく理由4選
1.脳を正常に働かせるためには栄養が必要だから
車にガソリンがないと動かない、野菜に水や光がないと育たないように人間には栄養が不可欠です。


こういったことは当たり前に思われるかもしれませんが、実際に科学的に動物実験などによって証明されています。
- ビタミンB群(特にビタミンB12、葉酸、ビタミンB6)
- オメガ-3脂肪酸
- ビタミンD
- 鉄
- 亜鉛
- マグネシウム etc…
この中の一つの亜鉛の欠乏がうつを誘発するといった実験を紹介しましょう。


この実験ではラットを2つのグループに分け片方は亜鉛を含む食事を、片方には亜鉛を含まない食事を与えました。3週間後亜鉛を含まない食事をとったグループは食欲不振、水分摂取量の減少などの症状がでました。それだけではなく亜鉛摂取なしのグループには抗うつ薬が効かないという結果も現れました。
Consistent with the development of depression, ZD rats displayed anorexia (p < 0.001), anhedonia (reduced saccharin:water intake, p < 0.001), and increased anxiety-like behaviors in a light–dark box test (p < 0.05). Furthermore, the antidepressant drug fluoxetine (10 mg/kg body wt) reduced behavioral despair, as measured by the forced swim test, in rats fed the ZA and ZS rats (p < 0.05), but was ineffective in ZD rats. Together these studies suggest that zinc deficiency leads to the development of depression-like behaviors that may be refractory to antidepressant treatment.
Tassabehji、Nadine M.、他。
「亜鉛欠乏は成体ラットにうつ病のような症状を引き起こします。」
生理学と行動95.3 (2008): 365-369。
これは栄養不足の一例ですが、実際に多くの動物実験でも栄養不足による影響は示されています。
2.幸せホルモンの生成にも栄養が必要だから


セロトニンという幸せホルモンをご存じですか?
セロトニンとは別名幸せホルモンともいわれており、精神と密接に関係しています。
セロトニンの役割
- 食欲の調整
- 睡眠の調整
- 社交性の向上
- 情緒や気分の調整 etc
セロトニンが食べ物からどのようにして体で働くかは下記のような順番で作用していきます。
セロトニン自体は食べ物に入っておらずトリプトファンがセロトニンの材料になります。
特に、肉、乳製品、卵、ナッツ、大豆製品などがトリプトファンの豊富な食品源です。
胃や腸など消化器系で分解されます。
脳へ運ばれます。
トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)→セロトニンの順で合成されていきます。
神経に貯蔵される(数分から数十分の短期間)
神経の活動などがあると放出されます。
なので初めのステップ、トリプトファンを食べ物から摂取しないとセロトニン不足に陥る危険性が高まります。下記に文部科学省が発表しているトリプトファン含有量TOP20を掲載しておきます。
食品成分ランキング/食品成分データベース/文部科学省



上の表を見てわかるように卵、魚類、豆類、乳製品などに多いことがわかりますね。積極的に取って幸せホルモンの原料を確保しましょう。
セロトニン合成には食事と同様に日光に当たることも重要です。朝の散歩なども積極的に取り入れましょう。
3.腸の状態が悪いと脳にも影響がでるから


腸の状態が脳に影響が出る??と疑問に思われた方もいるのではないでしょうか?
実は腸と脳は密接に関係していることが近年の研究で明らかにされています。ここで重要なキーワードは【腸内細菌】です。人間の腸には100兆個~数1000兆個の腸内細菌が存在しています。これらが脳にも影響を与えています。
ここで腸と脳が関係している面白い実験をご紹介します。


このラットを使った実験はうつ病患者の腸内細菌を健康なラットに移植するとどうなるかといったものです。
結果下記のような結果が得られました。
- うつ病のような症状が観察された
- 神経伝達物質に変化が見られた
このように腸内細菌に変化があるとラットの実験では脳にも影響が出ることが示されています。
We show that depression is characterised by alterations in the gut microbiota. We have demonstrated that it is possible to reproduce aspects of depressed behaviour and physiology via a gut microbiota transfer. This suggests that the gut microbiota could play a causal role in the complex mechanisms underlying the development of depression. The profile of depression-like behaviours and physiological alterations noted following FMT suggests that this represents a novel paradigm in behavioural
Kelly, John R., et al. “Transferring the blues: depression-associated gut microbiota induces neurobehavioural changes in the rat.” Journal of psychiatric research 82 (2016): 109-118.



腸内を良い状態に保つためにはもちろん食べ物が必要です。発酵食品や食物繊維などを摂取することでよい状態に保つことができます。
4.血糖値が安定しないとメンタルが不安定になるから


おなかがすいたらイライラするっていう経験ありませんか?
これは血糖値が低下していて脳がエネルギー不足と感知しているところからきています。
考えたり体を動かしたりすることで人間は血中の糖を使います。下記のようなときにメンタルに影響が出てしまう可能性があります。
- 低血糖状態
- 血糖値スパイクが起きてしまう時
低血糖状態
食事で糖を取れなかった場合やタイミングが遅れる場合低血糖状態になる可能性があります。その他にも運動や勉強を頑張ったときなど糖が急激に消費されて低血糖状態になることがあります。
血糖値スパイクが起きてしまう時
血糖値スパイクとは血糖値が急激に上がるようなものを摂取した場合その反動で急激に血糖値が下がります。血糖値の急激な変動が体にダメージを与えメンタルにも悪影響を与えます。



血糖値変動は目に見えないからわかりにくいけど確かに体の中では起きていることだから大事なことですね。
本物の食べ物って何?


それではここで本物の食べ物について話したいと思います。本物の食べ物とはずばり栄養がちゃんと入っている食べ物のことを言っています。食事の本来の目的は食べ物から栄養を摂取するという点です。しかし栄養がしっかり取れない食べ物があふれているのが現実です。食べ物はすべて本物の食べ物なのですが、ここでは栄養という点において摂取すべき本物の食べ物を説明していきたいと思います。
陥りがちな食事
私たちが食事をする際にどうやったらいっぱい食べたと認識するでしょうか?
ここで考えたいのは血糖値が上がる=栄養をしっかり取れているではないということです。
特に気を付けたいのが外食をよくする人です。ファーストフードなどの外食は特に血糖値がよく上がるものが多いです。なぜかというと血糖値を上げないと満足感を得られないからです。満足感を得られないということは利益を得られないのでビジネスとして成り立たず結果見渡してみれば血糖値を爆上げするものばかりが並んでしまうという構図になっています。糖質と脂質など偏った栄養だけをどんどん取ってしまい本来必要なものをとれない栄養失調状態ができてしまいます。
食べてるのに栄養失調?と思われた方がいるかと思います。【新型栄養失調】という言葉があり問題になっています。多くの現代人が満足感のある糖質、脂質、たんぱく質ばかりを食べその他の重要な栄養素を取らないことで様々な不調が出てきます。



人間は様々な栄養素を必要としており、満足感だけを求める食事では多くの人が栄養不足に陥ってしまい学ばない人は病気になって初めて気づきます。
本物の食べ物とは?


ここで提案したい本物の食べ物とは糖質だけ、脂質だけがとびぬけている満足感重視のものではなくバランスの良い食べ物です。
何が体に必要かの知識を付け満足感のあるものだけではなく【体のことをよく考えて選ぶ食べ物】が私が提案する本物の食べ物です。よく考えてということですから日ごろから知識を持つ姿勢が大事です。



無知は高い代償を後々払うことになる。ということを肝に銘じたいですね。人生100年時代現代人に必須の知識だと思います。
おすすめの食材
そういわれても何を食べたらいいかわからないというのがほとんどの方の意見ではないでしょうか?ここでメンタルが不調な方にぜひ積極的に取ってほしい食べ物をご紹介します。
- 発酵食品
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腸内環境を整えるためにおすすめの食品です。腸内では善玉菌と悪玉菌が勢力争いをしていますので発酵食品を取って善玉菌を増やしていくことを意識しましょう。
- 野菜、果物
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上記の善玉菌にはえさとなる食物繊維などが必要です。野菜、果物で食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを摂取しましょう。
- 鯖缶
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鯖缶には脳の健康に重要な脂肪酸の一種オメガ-3脂肪酸が豊富に含まれています。その他にも抗酸化物質や有用な成分が豊富に含まれていますのでおすすめです。
- 卵
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卵は栄養価が高くぜひ摂取してほしい食品の一つになります。その中でもトリプトファンを豊富に含んでいますのでセロトニンを増やすために摂取したい食品です。
- はちみつ
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はちみつも栄養価が高いことで有名です。メンタルヘルスの点では腸内細菌のえさになるオリゴ糖、セロトニンの原料のトリプトファン、抗炎症作用、抗酸化作用などたくさんの利点があります。ぜひ取り入れていただきたいです。
まとめ
- 食とメンタルには密接な関係がある。
- 食べているつもりでも栄養を摂取できていない状態というのが問題になっている。
- 食の知識は人生100年時代全員に必須の知識。



いかがでしたでしょうか?メンタルで悩んでいる方には食事、運動、睡眠などすべて大事ですが、この記事では食事の重要性を説明させていただきました。食事は人生の土台です。土台がぐらぐらしていては同じ問題が繰り返されますので是非意識してみてください。
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